全日本大学女子駅伝
2025.10.27
1号車解説を
実況・平松修造アナと
担当させていただきました。

肌寒く、雨が降りしきる仙台。
それでも選手たちの走りが、
そんな天気を忘れさせるほどの白熱したレース展開。
そして、ドラマのような結末が待っていました。
思いが溢れ出ているうちにツラツラと。
優勝は城西大学。

彼女たちは、かつて城西が優勝したとき、まだこの世に生まれていなかった。
“優勝を知らない世代”が掲げた目標は、ただ一つ。優勝。
赤羽監督が就任して8年目、ついにその願いが実を結びました。
前半は区間新記録のオンパレード。
絶好の流れをつくりながらも、5区で一時後退。
それでも誰ひとり諦めず、ただ“勝利”だけを見つめて走り続けた。
そして
アンカー・キャプテン金子選手による大逆転劇。
最後も区間新。完璧なレース。
「105点以上の走りをしないと優勝は難しい」
そう言われる中で、
彼女たちは全員が120点の走りを見せてくれた。
強すぎる、そして美しすぎる勝利でした。
第2位は大東文化大学

10度目の2位。“シルバーコレクター”の名を返上すべく挑んだ今大会。
前半は、繋いで、凌いで、耐えて。
その粘りが、ついに5区・サラ選手で実を結ぶ。
トップに立った瞬間、誰もが思った。
「ついに、大東の時代が来た」と。
昨日の夕方、恒例の1・2区の試走へ向かう途中、
グラウンドをぐるぐると走る野田選手の姿があった。
今朝、6区のコースを下見に走りに行くと、
そこにもまた、彼女は朝練の途中だった。
大会期間中、最も多く彼女の走りを見た気がする。
だからこそ、本調子でないことも、感じ取っていた。
勝負とは、なんと残酷なのだろう。
2年前、アンカーでの2位以上に、
今日の悔しさは深いだろうと、胸が痛んだ。
それでもこれまでとは全く違う内容の2位。
その走りは間違いなく誇り高く、美しかった。
第3位は名城大学
“王座奪還”を掲げ、名城が再び挑みにきた。
その象徴として、大エース・細見選手を1区に配置。
注目が集まる中、彼女は恐れず前へ。
果敢にレースを引っ張る姿は、まさに王者の魂そのもの。
一年生とは思えぬ覚悟で、
とんでもないプレッシャーの中を駆け抜けたに違いない。
「競技に対して甘く見ていないか?」
「本気で向き合えているか?」
4年生に対し、監督が常に問い続けてきた言葉。
その答えを示すように、
2区・3区・4区は4年生がしっかりとタスキを繋ぐ。
責任と誇りを背負い、走りで示す4年生たち。
一年生橋本選手がエース区間を担い、村岡選手の復活劇。
再び名城の未来を照らした。
入賞争いも混沌。
第4位。「ミラクルを起こす!」
有言実行の東北福祉大学
第5位。昨年度王者、流石の駅伝力を魅せてくれた立命館大学
第6位。夏場、心のスタミナ作りを徹底した大阪学院大学の怒涛の追い上げ
第7位。18位→8位→7位 着実に成長見せる筑波大学
第8位。エース4年生宮原選手が1年生のとき、5秒差でシードを失い、そこからの見事なシード獲得
また、初出場の北海道大学や駿河台大学のアグレッシブな走り。
それぞれのチームにそれぞれの想いがある。
去年、日体大を卒業し、その後大きく飛躍し、世界陸上3000m障害で特大日本記録をマークした齋藤みう選手。
大学女子駅伝は「悔しさの原点」と教えてくださいました。もう一度前を向いて挑戦したいと思えた大会だと。
悔しさは、強さに変わる。
そう信じさせてくれる大会でした。
走られたすべての皆さん、
心からありがとうございました。

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