小林祐梨子

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BLOG:今日もぼちぼちいこか~

第37回全国高校駅伝

2025.12.23

NHKにて女子の解説を担当させていただきました。

西川順一アナと

王者・長野東。
これはもう「横綱レース」という言葉でも足りない。

5人中4人が残り、

しかも全員が別区間。
こんな配置、誰が予想したでしょうか。


それでいて、あの埼玉栄の“伝説の記録”にあと2秒!!
今、目の前で何が起きているのか。
実況席にいながら、

現実感が追いつかない。

一区を託された川上選手。
エースとしての覚悟が、

流れそのものを変えていく。
全員がエースだった。

真柴選手の走りには、言葉を失いました。
時計が止まっているのかと思うほどの異次元。
放送席で、ただただ息をのむ時間。

そして横打監督の采配。
これが長野東なのか。
強い、ただそれだけでは説明できない“強さ”。
答え合わせをしながらレースを見ているような、不思議な感覚でした。

「体の成長」と「心の成長」を何より大切に、丁寧に積み重ねてきた日々。
その結晶が、あの走り。

強烈でした。

2位・薫英女学院。
これはもう、優勝タイムと言われても何の違和感もないレースでした。

5000mの持ちタイムは、あえて追わない。
伸び代を残す安田監督の哲学。
特別な練習はない。あるのは「気持ちの入り方」。
その言葉どおり、一本一本に魂が入っていた。
来年以降、想像するだけで楽しみです。

3位・立命館宇治。
「初出場6校」に対して…
第1回大会から名を連ねる、
都大路の原風景がこちら。

先導車を走る先輩、寸田さん。
そこに続く後輩たち。
超高校級・芦田選手がウォーミングアップで肩にかけていた“伝統の襷”。
放送では思わず「継ぎ足しの襷」と言ってしまいましたが、
秘伝のタレか!と自分でツッコミたくなるほど、重みが沁みた。
最後の追い上げ、あれは伝統の底力でした。

4位・仙台育英。
もしかすると、いちばん優勝に飢えていた学校かもしれません。

初めて都大路を走るメンバーが4人。
優勝を狙っての、チャレンジングなオーダー。
予選会トップ、3000m平均トップ。
「ピースが噛み合わなかった?」
いや違う。
「長野東さんの、あれだけの走りはお見事すぎました」
釜石監督のこの一言。
勝負師でありながら、真のスポーツマン。
その姿勢に胸を打たれました。

5位・埼玉栄。
16年ぶりの入賞!
3度目の1区、福山選手が作った流れ。
気迫、執念、誇り。
5人の思いが、しっかり襷に宿っていました。

6位・倉敷。
初入賞の快挙!
去年16位から、あまりにも大きなジャンプアップ。
「男子だけじゃないぞ」と言わんばかり。
次に来る気配が、もうプンプンしています。
楽しみでしかない。

7位・大阪敬愛女学院。
800mを主軸にする選手が多い中で、2年連続入賞!
久保選手、充実したトラックシーズンだった今年。
背負うもの、期待、プレッシャー…しんどかったに違いない。
それでも走れたのは、チームメイトがいたから。
“一人じゃない”駅伝の本質を感じる走りでした。
後輩たちのこれからが楽しみです。

8位・須磨学園。
去年23位。
たった1年で、ここまで戻ってくることがどれほど大変か。
池野さん、そしてキャプテン金子さんの走りが、
確かに後輩たちへ繋がっていました。

57チームの力走


本当に素晴らしかった。

ただ一つ、四国学院大香川西が当日欠場。
体調不良、3年生中心のチーム。
都大路のスタートラインに立てない悔しさは、計り知れません。

結果に関係なく、
チームのために、地元のために。
それが高校駅伝。

 

高校生の青春の1ページ。
胸にグッときました。

みなさん、雨の中の激走、本当にありがとうございました。